木原東子全短歌 続

二〇〇〇年より哀歌集を書く傍ら、二〇〇六年より「国民文学」歌人御供平佶に師事、二〇一一年からは歌人久々湊盈子にも薫陶を受けて、個性的かつ洗練された歌風を目指して作歌するものの、やがて国外に逃れることとなる。 隠身(かくりみ)の大存在の謎を追求する歌風へと変転し、「・・・」とうそぶく。カッコに入れる言葉の発見は難しい。

2010年06月

出来事、生の輪廻

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前回の写真の庭のつるばら、見事なピンクの
その翌日、小さな棘にぴりぴり刺されながら
10本近く10センチほどの茎を
切り取った
可愛い花束を、地味な花瓶に集めた

その夕、雨となり、薔薇を写真に撮るなどして
梅雨らしいしっとりした情緒
ベランダに小さな影が動いた、雀が
降りてきたのだ、ピョンと跳びはねて移動する影が透けて見える

そのまた翌日、夕刻、
卓上の薔薇の花のひとつから緑の茎が3センチ程も真っすぐに
延びている
若々しい緑色だ
ピンクの花びらから延びている

しばし観察
突然直線がくるりと輪を描いた
ぞっとして声を上げた
擬態した尺取り虫だとわかった
またまっすぐ、茎にもどった

しばしパニック、そうだ
雀が始末してくれる
扉を開けて、花瓶のままベランダに置いた
万事ことも無し、っと。

   ******
つるばらと尺取り虫とベランダに遊ぶ雀と輪廻の輪かも

ベランダの植物園

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  この数年来知っていたのに、うっかり忘れていたのだが、
こぼれ種からイソトマの薄紫の5弁の花が開いていた。
初めて知るかのように喜んで挨拶する。
  北側の壁にくっついて、
  小石だらけの僅かな隙間に土を見つけて。
  すぐ上のベランダ内の植物園から追い出されたのだ。
アメリカンブルーとイソトマを植えていた。カラーがぴったり合うし宿根だし。
やがてアメリカンブルーの勢力が旺盛になり、
イソトマの場所を確保したのは
(白い3弁花がちょうど咲き始めた)多分露草の一首と思われる強い植物だった。
ベンジャミンも繁茂して、協力し、外からの視線を防いでくれる。

20x40cmの箱ふたつが、手すりの高さにとりつけてある。
(白露草もどきが冬には流石に枯れてしまっているかのようにみえる)春一番には
白い薄紫の壷すみれがビッチリ咲く。
普通の気温だと、ピンクのなでしこ、ネジバナ、と入れ替わる。
十年以上土も変えていないのに。
それ以外は、もっぱらゼラニウム、これが赤いのである。
ベランダ中がこんなわけで植物園になっている。
自慢の手入れ入らずの生態系である。

     *******

ヒクヒクと鳴く鳥はたれ昼過ぎて今年の春も調べ哀しき

樹の花も次のステージ紫をりりしく掲げ桐はそよぐも

知り初めしにせあかしあの花房の匂ふ木下を夢見心地に

並び立つ金星と月ひとときの縁の光神は戯る

金星と皐月の月の遊びつつ距離と軌道のだまし絵いくつ
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