木原東子全短歌 続

二〇〇〇年より哀歌集を書く傍ら、二〇〇六年より「国民文学」歌人御供平佶に師事、二〇一一年からは歌人久々湊盈子にも薫陶を受けて、個性的かつ洗練された歌風を目指して作歌するものの、やがて国外に逃れることとなる。 隠身(かくりみ)の大存在の謎を追求する歌風へと変転し、「・・・」とうそぶく。カッコに入れる言葉の発見は難しい。

2012年02月

春を探しに、なんて

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昨日は一日雨だった
午後からは晴れるかと空に敬礼したが
愛想が無い

春を探しに、なんて
どうしたことか、春の始まる一瞬を
見逃したくない

よろよろの山茶花生垣
金柑はだれもとらない
すべて枯れてるか刈り込まれてる

少し球根から頭を出して
誰だろう、やはりチューリップかな
赤いボケが
白い梅が、しおれかけて
しまった早かったと咲いている

隣りの塀沿いに
八重の椿がひとつ
ゴージャスに落ちていたのを盗る

うちの鉢に乗せておく
おや
小さな庭に、なにか緑色、きらきらした緑色が!
そうか、
おだまきだ、この葉の形
くるくると巻かれた濃い緑色
たくさんの露を抱いている
枯れた葉が上から護っていたのだ

曇りだけれども、少し気温が高い
春だ、と思ったらしい
ともかく一番目を見つけた
この種をくれた彼女にメールしよう
きっと喜んでくれる


心臓が重たいなあ
やっと病人の仲間になるのか知らん
心臓がバクバクしてる
心は春を夢見てるのに
後ろから引っ張られてる

短歌勉強会 4

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投稿者は10人、介護中のためひとり欠席

まずは歌人紹介:藤井常世 ふじいとこよ 
第8歌集「夜半楽 やはんらく」岸上大作との恋
  地味で歌集も賞も少ない、歌には奥行きがあり色々な読みが可能である
  アララギ派のような自然の形態そのもでなく、何事かの思いが添えられている
  似たような歌い口の歌人:稲葉京子、馬場あき子の日常詠
  自然と自分をみつめる

語彙

水口 みなぐち らんる=襤褸ぼろのこと    荘厳す(しょうごんす=おごそかにみせる)
家鴨 あひる     二七日ふたなぬか       候鳥(こうちょう=季節の鳥)
木賊 とくさ     律呂のみだれ(りつろ、呂律)

注意点

たとえば「いかり」という漢字には色々なものがある
言葉を重ねるという歌い方
まとめて駄目押ししてはいけない、具体的な行為にする
長の子(おさのこ~乙の子おとのこ)~太郎次郎ですますことができる
失礼しますとの友の賀状==説明となるので「しますとある賀状」
解く、抜く(5段活用)+り//解ける
丹波太郎(気象用語として)

この日の私の自慢は、30首中先生の歌を三首ともみつけたことである。
それにもうひとつ、私の三首のうち二首を先生のみに面白いと採択してもらえたこと
こちらが面白いと思った部分はばっさり切られてしまったが。

*言い交はす家賃の支払い忘るるな命ずる人と実行役とで
上句が面白い、ということなのだが
下の句に「私の恨みが込められています(笑)」と言うと、別のことでそれをあらわすように
たとえば「伊予のぽんかん爪を立てつつ」

*歩道にて白鶺鴒とすれ違ふすたすたつつつっ行人われら
場所の設定は不要、歩道でなければ驚かなかったと異議を唱えたが、「冬の朝」と
自慢の四句目は「足を速めて」に
結句のみが先生の目に留まった部分

*金木犀匂ふ夜道を日々母に待たるる身にて名月も照る
全員にとってわかりにくくかつ道具立てがそろいすぎらしかった
順番を替えて
「日々母に待たるる身にて金木犀匂ふ夜道に名月も照る」そうか言われてみればわかりやすい
ギャラリー
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  • ドイツより地球の風に飛び移る 2022年より(3)『76歳の春彼岸まで』~~ 「終焉の気配」「春の気配ある」「かくりみの気配」
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