「晩秋の赤」
鳥影を休ませをりし枯れ松の先端落ちぬ墓所の辺りに
紅葉狩り滝道登る母の背の美しかりき容赦なき老ひ
落葉道 無限の彩(いろど)り散りしくに 何故ここまでと対話を始む
妄執の赤 霜月もサルビアよ咲き継ぎ止まぬ何に競ふか
「寒空」
冬空の蒼青(あおあお)としてけふ一つ越ゆるべき山ダブルブッキング
寒空にストッキングにて出陣のヒールは燃ゆる愛の嵐に
シナプスの壊るる音か耳近くザキッと白き電流異常
夜さ朝なかえりみて安心のひとつなく脳に鋭き警告音す
手短かに詣づるばかりの父の墓 木枯しチリと風鈴を押す
鳥影を休ませをりし枯れ松の先端落ちぬ墓所の辺りに
紅葉狩り滝道登る母の背の美しかりき容赦なき老ひ
落葉道 無限の彩(いろど)り散りしくに 何故ここまでと対話を始む
妄執の赤 霜月もサルビアよ咲き継ぎ止まぬ何に競ふか
「寒空」
冬空の蒼青(あおあお)としてけふ一つ越ゆるべき山ダブルブッキング
寒空にストッキングにて出陣のヒールは燃ゆる愛の嵐に
シナプスの壊るる音か耳近くザキッと白き電流異常
夜さ朝なかえりみて安心のひとつなく脳に鋭き警告音す
手短かに詣づるばかりの父の墓 木枯しチリと風鈴を押す