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 「神頼みの引越し」

「忘れないで私は居るよ」大いなる友の温情こころに響く

流れ雲へ 手のひら広げ 照り返す日光の束美(は)しと受け取る

エナジーよ造物主よそは とらふるに語りかくるに膨大に過ぐ

化学雑巾!見事に汚れかきとりて洗えばさつと放出す



  「ありにはありの」

タイタンに一矢報ふるひと噛みのコアリの兵士 ペンの先ほど

蟻の城を壊しつつ抜く雑草の 根は石垣にくらひつくごと

もの減りて畳の目など見てをれば 例のコアリの出征続々

割れ鍋の夫ととぢ蓋 崖つぷち 気管詰まらせ笑ふ他なし

数知れぬ殺生やむなし 勇猛なるコアリ追はれてその速さかな

藤袴白く香りて蝶に遭ふ はばたく翅の色響きあふ



  「空っぽの庭」

忙殺とふ行為に溺れ 若きらと長く別るる意味を解せず
 
あと十日迫る別れの悲しさがきのふ始まる テロミア如何に

只ひとつ雑草しげる溝の中 別るる庭は丸はだかにて

ツユクサよさらばと言へば思ひがけず嗚咽となりぬ ホントハカナシイ?

元気者のニラの大群また揃ふ 茎を静かに引けば抜け切る

ニラの花白く咲く頃 まつさらの庭に花ニラばかりは摘まずに

黄のカンナよ 捨つるもののみ残りたるぐぁらんだうとはさつぱりするねえ

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